2011年12月22日木曜日

非公式忘年会

研究室の忘年会が催された。

「非公式」という言葉の理由は、研究室に居る時間の長い人たちだけで、昼食時に手軽に催した忘年会だったため。
前回の公式飲み会から期間が開いていないので、「まあ大々的に告知するほどでもないでしょう」という判断があったのだ。

ともかく。

研究室に、参加者の持ち寄りと、お寿司の出前をとった。

関西出身の人がホットプレートでお好み焼きを作ってくれた。
これが大変美味しくて、個人的には大阪風お好み焼き観に革命が起きていた。

作った人が関西人だからか?

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Photo:
Okonomi-yaki made in our lab.

2011年12月13日火曜日

手の鏡像運動の調整はどこで?

Tuning of the excitability of transcortical cutaneous reflex pathways during mirror-like activity.
「健常成人に見られる鏡像運動の調整(意訳)」
Ohtsuka H, Sasada S, Nakajima T, Futatsubashi G, Shimizu E, Komiyama T.
Exp Brain Res. 2011 Nov 11.

鏡像運動とは、一方の手の随意運動のときに他方の手に現れる不随意運動のこと。健常成人では視認可能なレベルでの不随意運動は消失するが、筋電図レベルでは残存していることが知られている。

健常成人9人、両手で示指伸筋の筋電図を記録した。この筋肉が担当する指の運動、すなわち示指外転運動(指を「チョップ」から「パー」にする運動)について、左手は持続弱収縮を維持するように指示した。右手はリラックスしている状態からスタート。


2011年11月29日火曜日

Neuroscience2011(SfN) 学会参加の旅行記 6


帰路の始まり。暖かい雨の日。
早朝ホテルを出てレーガン国際空港へタクシーを飛ばす。かなり早めに出発した上に、チェックインがあっさり済んでしまい、長時間のひまが出来てしまった。
カフェで朝食を買い、土産物店を見たり、書店で本を買ったりして過ごす。

往路と同じ細いボンバルディア機で1時間ほどのフライト。
NY/JFK空港へはすんなり移動できた。

NY/JFKでの乗り換え待ちはわずか1時間。

のはずだった。

2011年11月28日月曜日

Neuroscience2011(SfN) 学会参加の旅行記 5


朝着替えようとした同行者1名がギックリ腰を発症した。彼は痛みで動けず、氷冷しながらホテルで休むことにした。

学会場とホテルの3kmほどを結ぶ無料シャトルバスの車窓から、並ぶ行列が見えて気になっていた店があった。下車出来ないのでやむなく歩いて行ってみた。U street沿いにあるBen's Chili Bowlへ。

下調べではオバマ大統領が食べたとのことで、オバマほか有名人と思しき写真がいくつもあった。チリドッグを食べた。美味しい。そして辛い辛い。アフリカ系居住区だったらしく、店周辺も店内も黒人だらけだった。

2011年11月25日金曜日

Neuroscience2011(SfN) 学会参加の旅行記 4


快晴。やや寒い。
時差ぼけで早朝に目が覚めるのは、もはや旅行期間中に解消しないだろうと諦める。

空腹のまま地下鉄でUnion stationへ行く。石造りの壮麗で巨大な駅舎。映画に出てきそうだ。
中にはショップも充実している。Whitehouse gift shopはここにもあった。駅ビル構内なのにテラス風のカフェで、アップルパイとオレンジジュースを朝食にした。パイはもう、すごく美味しかった。さすがリンゴの国だ。

鉄道の写真も撮りたかったが、ゲートをくぐる必要がありそう&警備員が一々こちらを見るので、諦めた。チケットなしで列車に近寄れるヨーロッパとは仕組みが違うようだ。それとも首都ゆえの警戒だろうか。

駅の隣の郵便博物館も他の美術館・博物館と同様、入り口は所持品チェックがある。

2011年11月24日木曜日

Neuroscience2011(SfN) 学会参加の旅行記 3

やはり朝早く目が覚めてしまったので、朝焼けを見つつ近隣を散歩。快晴、かなり寒い。

ホテル周辺は超高級住宅+大使館街なので、ステキな建築が次々に現れる。寒暖差があるせいか、街路樹や庭木のたいへん鮮やかで美しい紅葉を見せる。桜の葉があまりに綺麗な黄色に紅葉するのを、初めて見た。

Dupont Circle近くのFreshfarm marketという日曜朝市へも行ってみた。
野菜、生花、果物、パン、チーズ、蜂蜜など、農場直営の出店が20件以上はあっただろうか。加えて季節柄、大きなクリスマスリースも売られていた。小ぶりで固く甘いリンゴはどこでも(スーパー、駅、空港でも)売っていて、齧りながら歩く人をたまに見かけた。


2011年11月22日火曜日

Neuroscience2011(SfN) 学会参加の旅行記 2


時差ぼけで、朝5時に目が覚めてしまう。これがjet lag syndromeか。

軽く朝食を摂ったら短時間の街を見に出かけた。快晴だがやや寒い。

さっそく地下鉄でホワイトハウスを見に行った。周辺は省庁や巨大企業の本店などのビル群が、ヨーロッパや米東部式の建築美を競うエリア。それらを見ながら、ホワイトハウスへ到着。FBIと書かれたパーカーを着た子どもたちを見かけ、羨ましくなる。ホワイトハウスは柵で囲まれ、当然ながらあまり近くへは行けないが、定番の場所でいくつか写真を撮った。

街中でも木のある所にはたいていリスが居た。どんなに可愛くても、咬まれると病気になるので注意。

近くにあるWhitehouse gift shopで、政治家や政府の建築に因んだ雑貨を売っている。毎年新作が発売されて人気を博すという、クリスマスオーナメントを買う。

2011年11月21日月曜日

Neuroscience2011(SfN) 学会参加の旅行記 1


北米、ワシントンDCで開催されたNeuroscience2011という世界最大の神経科学会に参加した。
我々の研究室と姉妹研究室からは、複数のポスター演題を発表した。

以下は院生たちの旅行記。

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寒い雨の日。成田空港の出発ロビーで、同便に乗る人たちで合流。セルフチェックインの機械に翻弄されつつも何とか発券できた。
待ち時間に、最後の日本食としてうどんやかつ丼を食べた。

利用した航空会社は、成田空港をアジアとアメリカを繋ぐハブとして使っているらしく、日本以外のアジア系の旅客が多い印象だった。同じ学会に行くのであろうポスターの筒を携えた人も散見した。

2011年11月8日火曜日

第34回 神経科学大会_レビューその3-2

前回に続き、
「NMDA」というkey wordでまとめてみた。

2009年に比べ、2010以降はポスターの発表数が増加。
また、2010-2011においては、特に発表数や形式に変化は見られない(右図)。
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以下、興味を引いた研究室

名古屋大学
このラボでは、統合失調症に関連があるとされるDISC1 (Disrupted-In-Schizophrenia 1)の機能を調べている。
DISC1は細胞増殖やその後の細胞移動に関与していることが報告されている。

第34回 神経科学大会_レビュー その3

今回の抄読会も第34回神経科学大会のレビューを行ったのでその概要を紹介。
キーワードは、「DNA methylation」






2009-2011年にかけてのDNA methylationに関する発表数とその形式について
図1- Aからわかるように、シンポジウムの数が年々増加しており、それらの内容としては、神経発達や精神疾患関連のものが多かった(図1- B)。
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以下、興味深い発表を行っていたラボについて

奈良先端科学技術大学
このラボは、神経幹細胞の分化におけるエピジェネティクスの役割を調べている。
再生医療への応用を期待される分野であり、非常に注目度の高いテーマ。

2011年11月2日水曜日

姉妹研究室の引っ越し

本ブログオーナーズの所属する研究室から、姉妹的に誕生した研究室がある。

その研究室が、これまでの仮住まいから、新しく建った研究棟へ引っ越しすることになったので、我々も、部屋の中の整備(間取り決定、  什器購入、 鍵発注、…)や引っ越し業者の手配など、
あれこれお手伝いをした。

引っ越し先は高層ビル。富士山が見える高さだ。

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その結果、抄読会が減ったので、ここのブログにアップする記事がなかった。
という言い訳。

もう少ししたら北米で国際学会に出席するので、また記事が書けそう。
旅行記とか。

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複数大学にまたがる連合大学院というシステムで、大学院生や研究者を募集しているらしい。

2011年10月7日金曜日

科学系ニュース_2011.10.7

▼X染色体のmicroRNAが男女の免疫を分ける?
すべてのmicroRNAの10%はX染色体上にあるという。microRNAの働きはまだわからないことだらけだが、免疫やがん発症に関係する可能性があり、そうであれば、高密度にX染色体に存在するmicroRNAが男女の寿命差を生んでいるのかもしれない。

短いreviewでわかりやすいです。おすすめ。
男女では出産比率が違いますからね(男が多い)。生物的には男が弱くなる仕組みがないと男余りに。
慣習で男余りになっている大国もありますが…。

▼VitB12関連指標と脳萎縮
VitB12不足に関連した血中マーカー濃度が(MethylmalmonateやHomocysteine)が認知機能低下や脳萎縮と関連。

ホモシステインレベルを下げるサプリメント摂取(葉酸、ビタミンB6,12)が脳萎縮を抑制するなんて結果も出ていますね。


2011年10月3日月曜日

第34回日本神経科学大会 レビュー2:NIRS、fMRI


研究室の抄読会での学会レビュー企画、第2回目。
(9月14~17日にパシフィコ横浜で開催された第34回神経科学大会Neuroscience2011)

NIRS(fNIRS)とfMRI関連の演題からピックアップ。
以下は一部抜粋。
記号と数字は演題番号。
学会HPで公開されているタイトルや抄録以上の内容を含まないようにしている為、本ブログ上でそれぞれの記事はごくさらっとしか触れない。

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2011年9月27日火曜日

第34回日本神経科学大会 レビュー

研究室の抄読会。
9月14~17日にパシフィコ横浜で開催された第34回神経科学大会Neuroscience2011のレビューと題して、参加者各自が面白いと思った演題を紹介しあった。
以下は一部抜粋。
記号と数字は演題番号。

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S2-F-2-3
「眼球運動と瞬目計測による自閉症の社会性障害の探究」

自閉症スペクトラム患者と対照被験者とで、会話や演説の映像に対する眼球運動や瞬目行動の違いを見た研究。

(関連して、英国のサヴァン、ダニエル・タメットの本や、自閉症患者に仮託して書かれた小説『夜中に犬に起こった奇妙な事件』などが話題に上った)

2011年9月6日火曜日

科学系ニュース_2011.9.6

▼若い血は脳を若返らせる?
若いマウスと老マウスの循環をつなげてやると、若いマウスの認知能力は下がり、
老マウスは上がる。神経新生が変わるらしい。その因子は血中にあるケモカイン、
CCL11だと。
http://www.nature.com/nature/journal/v477/n7362/full/nature10357.html

若い血が欲しくなりますね。老齢マウスでも神経前駆細胞は生きているから、
環境が整えば脳は若返る可能性。

▼長時間労働は生産性を高める?
Look at Quiñones-Hinojosa's labo. Labo members work so hard even over Christmas
and New year, which sounds pretty unusual for westerners for me.
The boss, hard working surgeon, let his cancer patients to attend the lab meeting,
which reminds the lab members the urgency of their work.
Does such kind of working style produce better results than 9 to 17 work style?


まぁ強制されなければ、好きな時間だけ研究できるというのはある意味特権ですよね。
院生時代に戻りたくなります。

▼組織透明化試薬 Sca/e
理研のお仕事。写真を見ること。
蛍光たんぱくの発光を阻害しないのがミソ。

もっともこんな試薬はすでにある。深さが500μと浅いですね。

2011年9月5日月曜日

GABAA受容体は海馬神経新生を時空間特異的に制御

Spatiotemporal specificity of GABAA receptor-mediated regulation of adult hippocampal neurogenesis
Venceslas Duveau et al

神経新生にGABAの伝達が重要であることは以前から報告されていたけれども、GABA受容体のどのサブユニットがどんな役割をしているのかはまだ解明されていませんでした。
GABAA 受容体にはポストシナプスに発現していてPhasicな抑制に関与するものと、シナプス外に発現していてTonicな抑制に関与するものがあります。この研究ではPhasicなGABAA受容体に含まれるα2サブユニット、TonicなGABA受容体に含まれるα4、δサブユニットのそれぞれのKOマウスで海馬Dentate gyrus(DG)の神経新生がどう変化するかを調べています。

その結果、α2とα4サブユニットはそれぞれ神経新生に特異的な役割を持つことがわかりました。

2011年8月31日水曜日

魚釣りへ

研究室の院生とその友人たちで、ふと思い立って魚釣りに行った。

朝6時に大学に集合、千葉市から南へ1時間弱、市原市のマルエイ海づり公園へ。
東京湾に浮いた桟橋から釣れる施設は早朝から既に賑わっていた。

参加者全員が全くの素人で、道具も持っていないが、施設に竿のレンタルと仕掛けの販売もあるというので、氷と財布だけ持って行った。

入場料、竿レンタル、 仕掛けやエサの購入で2000円くらい/人のレジャー。

2011年8月29日月曜日

TMSの作用機序と確率共鳴

Stochastic Resonance Effects Reveal the Neural Mechanisms of Transcranial Magnetic Stimulation.
Schwarzkopf DS, Silvanto J, Rees G
The Journal of Neuroscience, 2011, 31(9): 3143–3147

経頭蓋磁気刺激(TMS)の神経作用機序についての論文。
TMSは作用機序がいまいち判っていないので調べました、とのこと。
判読困難な視覚課題遂行中にTMSを与えたところ、課題の成功率が変化するという現象を発見し、

確率共鳴Stochastic resonanceの概念で解釈できたという報告。

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確率共鳴とは、閾値下のシグナルが、ノイズ印可によって検出可能になる現象である。

2011年8月26日金曜日

科学系ニュース_2011.8.30

興味ある人は原著を当たってみよう。

▼チンパンジーとヒトでは、幼児期の脳の成長スピードに違いが。アイちゃんの松澤先生の研究ですね。

確かに人は急速に成長。
マカクは子供も大人も変わんない…。

▼男の子は自分の話をするのを時間の無駄に思う。(恥ずかしいからではない)

女の子は違うと。だから、親は男の子に、そうではないんだと、無駄じゃない時もあるよと話すことを促し、女の子には、それ以外の方法もあるよと促すことを研究者は推奨。

こういう性質も生得的なのかなと思う反面、そう決めつけられてもな…。

2011年8月19日金曜日

海馬と皮質における樹状突起spine形成と記憶

The formation of recent and remote memory is associated with time-dependent formation of dendritic spines in the hippocampus and anterior cingulate cortex.
Restivo L, Vetere G, Bontempi B, Ammassari-Teule M.
J Neurosci. 2009 Jun 24;29(25):8206-14.

「短期記憶から長期記憶へと変わっていく過程で、海馬から大脳皮質へ移っていく」という話の裏付け。
音と電気ショックにより、条件つきの恐怖記憶をつけられた動物の脳内で、海馬と大脳皮質(前部帯状回)をゴルジ染色し、樹状突起のスパイン密度を調べた。
記憶形成から1日後(Recent)には海馬でスパイン密度の上昇があった。36日後(Remote)には皮質で同様の変化がみられた。

2011年8月16日火曜日

論文撤回とか…(1)

研究者たるもの、もっとも恐れる事態の1つは、論文を撤回することだろう。
大抵の場合、論文内容が「結果的に」間違いであることがわかっても取り下げる必要など無い。

多くの科学的・医学的言説が、発表された当時は真実だと思われても後の研究で否定されてきた。科学は否定の歴史でもある。論文の重要性は、結果の正しさではなく、仮説の提唱にあると言ってもいい。良い仮説を提唱すれば、多くの研究者を刺激し、結果的に優れた研究が続くからだ。


実はWall Street Journalに気になる記事が載った。
Mistakes in Scientific Studies Surge
残念ながらまだ日本のWSJサイトには記事が無い様子。タイトルを訳すと、「科学研究の誤りが急増」といったところか。

2011年8月6日土曜日

脳活動を意志の力で制御する

On-line, voluntary control of human temporal lobe neurons.
Cerf M, Thiruvengadam N, Mormann F, Kraskov A, Quiroga RQ, Koch C, Fried I.
Nature 2010 Oct 28;467(7319):1104-8.

内側側頭葉MTLはmodality-independantな(視・聴覚刺激時、想像・想起時を問わず)ある概念を表象している可能性が示唆されていた。
では、その領域での脳活動(神経細胞の発火頻度)は意志の力でコントロールできるのか、という研究。
 コントロールできているかを評価するために、fMRIなどの間接的機能画像法ではなく、Brain Machine Interfaceを使っている。

2011年8月5日金曜日

禁煙できる人を脳活動の違いで見抜く


Chua HF, Ho SS, Jasinska AJ, Polk TA, Welsh RC, Liberzon I, Strecher VJ.
Nature Neuroscience 2011 14(4): 426-7

シンプルな内容ながら、脳活動により4か月後の行動を予測という観点が成立する点で興味深い報告。3 sessions + 1 phone interviewで行われた。

1.まずAssessment sessionで、現在喫煙中で禁煙したいと思っている91人の被験者それぞれを面接。生活環境、家族との関係、禁煙に対する考え方などをインタビューする。
目的はTailored messagesを作成するため。

2011年7月21日木曜日

構想中

研究室の非公式?ブログとしてリニューアルオープンするかも。
準備中。
だよ。


2011年3月1日火曜日

iPod Touch スクリーンセーバの代わりに

デスクワーク中にiPod Touchをスタンドに置いて、
音楽を聴いたり、ネットラジオを聞いたりしているのだが、
あの大きな画面に、ただ曲の名前やラジオ局名が出ているのでは、
なんだか寂しいと思ってしまった。

そこで思いついたのがスクリーンセーバを動かそうということ。
しかし軽くネットで探したかぎりではあまり良さそうなのが見つからない。
液晶画面だから必要ないせいか?

というわけで、既存のアプリを表示させっぱなしにすることで、
スクリーンセーバ代わりにすることにした。