Neuroplasticity in cigarette smokers is altered under withdrawal and partially restituted by nicotine exposition.
Grundey J, Thirugnanasambandam N, Kaminsky K, Drees A, Skwirba AC, Lang N, Paulus W, Nitsche MA.
J Neurosci. 2012; 32(12): 4156-62.
タバコに含まれるニコチンは、ニコチン性アセチルコリン受容体を介して神経細胞の活動性を増強する。この受容体は神経可塑性に影響して学習・記憶に関与するため、喫煙常習化や禁煙が神経活動を変化させるだろうと言われている。
実際にニコチンを非喫煙者に与えると、一時的な注意力、作業記憶などの向上が見られる。また、喫煙者に禁煙させるとそれらが増悪し、ニコチンを与えると能力が改善するという。
これらの知識は、一見するとニコチンは良い作用を及ぼしていると見えそうだが、ニコチンの依存性に寄与するメカニズムではないかと考えられてもいる。
本研究ではそのメカニズムを解明するために、禁煙させた喫煙常習者(以下、愛煙家とする)の神経可塑性に対するニコチンの影響を、2種類の方法で検討している。
2012年5月30日水曜日
2012年5月27日日曜日
喫煙は脳BOLD信号を増強させる
Friedman L, Turner JA, Stern H, Mathalon DH, Trondsen LC, Potkin SG.
Neuroimage. 2008 Apr 15;40(3):1181-94.
長期間の喫煙がBOLD信号に与える影響についての報告。
脳機能を画像的に評価する方法で、いま一番使われているのは機能的MRI(functional MRI, fMRI)である。
この手法は、組織のヘモグロビン(血色素)濃度の変動を調べることで、直接観察しにくいヒトの脳活動を間接的に評価する。
その理論的背景には、神経活動は近傍の組織の血流変動を伴うという原則がある。指を動かせば指の運動を司る領域で、画像を注視すれば視覚に関連した領域で、それぞれ神経細胞が最寄りの血管を拡張させて血流を増やすので、組織中ヘモグロビン濃度の変化をもたらすとされている。
2012年5月22日火曜日
嗅覚の異常は不安の原因
Olfactory deficits cause anxiety-like behaviors in mice
Glinka ME, Samuels BA, Diodato A, Teillon J, Feng Mei D, Shykind BM, Hen R, Fleischmann A
J Neurosci. 2012 May 9;32(19):6718-25.
不安症状と言うのは様々な感覚刺激が引き金となって誘発されるが、一方で感覚をなくすことが不安にどのような影響を及ぼすのかはあまり分かっていない。
この論文は遺伝子改変マウスを使い、嗅上皮からの匂いの伝達がおかしくなると不安様行動が増加することを見つけたもの。
いわゆる「普通の匂い物質」と「フェロモン」は、鼻の中でも異なる場所で感じ取っている。匂い物質の情報は嗅上皮(MOE)から脳の主嗅球へ伝達され、フェロモンの情報は鋤鼻器(VNO)から脳の副嗅球へ伝達される。
Keyword:
Transgenic,
不安,
嗅覚
2012年5月17日木曜日
神経細胞は記憶の記録係
Liu X, Ramirez S, Pang PT, Puryear CB, Govindarajan A, Deisseroth K, Tonegawa S.
Nature. 2012 Mar 22;484(7394):381-5.
これまで、学習時に活性化した神経細胞を特異的に再刺激することが困難であったが、最先端の遺伝子工学の技術を応用することでこの問題を解決した。
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