2012年6月20日水曜日

女性ホルモンが脳内神経回路と行動をオス化する

Estrogen masculinizes neural pathways and sex-specific behaviors.
Wu MV, Manoli DS, Fraser EJ, Coats JK, Tollkuhn J, Honda S, Harada N, Shah NM.
Cell. 2009 Oct 2;139(1):61-72.


性ホルモンは神経回路の発達と性特異的な行動に不可欠である。
オス特異的な行動の発現にはテストステロンとエストロゲンが必要であるが、
その二種類のホルモン経路がどのように協調して働いているのかは明らかではない。

この研究では神経回路の発達とオス特異的な行動へのテストステロンとエストロゲン
の関与について調べている。

この研究を理解するためには『アロマターゼ仮説』に関する知識が必要なため、
以下にその仮説について簡単な説明を加える。

2012年6月7日木曜日

fMRIでみた意志決定の年齢差


Aging and decision making under uncertainty: behavioral and neural evidence for the preservation of decision making in the absence of learning in old age.

Hosseini SMRostami MYomogida YTakahashi MTsukiura TKawashima R.

Source

Department of Management Science and Technology, Graduate School of Engineering, Tohoku University, Aoba-ku, Sendai, Japan.
Neuroimage. 2010 Oct 1;52(4):1514-20.

   加齢が不確かな状況下での意思決定に影響しているのか、行動と神経学的側面から論じている。
これまでの脳画像研究では、加齢に伴って前頭葉、頭頂葉が急速な割合で萎縮することが報告されている。このことから、認知機能の低下が予測され、高齢者が日常、意思決定する上でのリスクが高くなると考えられるが、年齢による経験値でそのリスクは相殺されている可能性がある。さらに、結果を予測するための情報が与えられている場合には、有利な意思決定が出来ると報告されている。しかし、学習を求められるようなタスク、例えば、刺激と反応の関係性の習得を求められるようなタスクでは、若い人に比べてパフォーマンスが低下するとの報告もある。
 
  本研究は、学習することを求めず、予測情報のみを与えた場合の意思決定の際の、年齢による相違をfMRIと合わせて検証している。