第34回日本神経科学大会 レビュー

研究室の抄読会。
9月14～17日にパシフィコ横浜で開催された第34回神経科学大会Neuroscience2011のレビューと題して、参加者各自が面白いと思った演題を紹介しあった。
以下は一部抜粋。
記号と数字は演題番号。

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S2-F-2-3
「眼球運動と瞬目計測による自閉症の社会性障害の探究」

自閉症スペクトラム患者と対照被験者とで、会話や演説の映像に対する眼球運動や瞬目行動の違いを見た研究。

（関連して、英国のサヴァン、ダニエル・タメットの本や、自閉症患者に仮託して書かれた小説『夜中に犬に起こった奇妙な事件』などが話題に上った）

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P3-p07
「他個体の存在がラットの情動反応と回避行動へ与える影響」

動物の社会的関係Social interactionに関連する研究。
情動反応や回避反応を起こすような実験環境に置かれたラット（被験者）の反応が、その近くに無関係のラットを傍観者として配置することで変化したというもの。

ラットも他人（他ラット）が居ると落ち着くのか？
あるいは不安が増すのか？

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P4-t02
「GLT1コンディショナルノックアウトマウスにおけるグルタミン酸神経伝達の障害とOCD様異常行動」

疾患モデル動物を作成して、その作成原理や行動から病因を調べたり、薬効を見たりする研究の取っ掛かり的研究。
強迫性障害（OCD）は「くり返す儀式的行為や確認作業を、自分でもやめたいと思っているのにやめられない」というような精神疾患。
GLT1KOマウスを作成したらマウスが異常行動をとった、薬効も実際の患者と類似していたというので、新たなOCDモデル動物の候補になりうる。

（関連して、現在不安神経症に含まれるとされるOCDが、今後は別の疾患概念になるかもしれない、という話題も出た）

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学会後に中華街散策。
中華料理店に行って夕飯を食べた。
画期的な酢豚で美味しかった。

大学から会場までは2時間弱で行ける距離なので、まずまず便利だ。