2012年12月4日火曜日

強迫性障害を脳から診断できるか

Weygandt M, Blecker CR, Schafer A, Hackmack K, Haynes JD, Vaitl D, Stark R, Schienle A.
NeuroImage 60 (2012) 1186-1193.
本研究はfMRIを用いて、精神疾患を客観診断してみようとするグループの一連の研究の一つである。

精神疾患全般に言えることであるが、疾患概念や診断基準こそあれど、診断するのが精神科医の主観的な"見立て"に準じるために、診断における客観性を渇望し続けてきた。
これを目指して、血液検査、髄液検査、電気生理学検査、行動研究、脳画像研究など、世界中で多くのアプローチがなされているところである。

強迫性障害は精神疾患の一種で、強迫行為と強迫観念で特徴付けられる。
強迫行為とは、不安や不快感を打ち消すための行為で、不合理であることが本人にも判っているのにやめられないものである。
過剰なまでの洗浄行為、確認行為(施錠、火元など)を呈する。
また、強迫観念は、同じく不合理で、不快・不安を惹起するような思考が本人の意志とは無関係に浮かぶものである。
これには加害恐怖、自殺恐怖などがある。

2012年12月3日月曜日

Neuroscience2012 学会レビュー 2

(本稿は続編なので、経緯は「Neuroscience2012 学会レビュー 1」を参照されたい)

OASISにて"sex differences"もしくは"gender differences"をキーワードに検索した結果を右図に示す。

なお、両者とも日本語では「性差」だが、sex differencesは生物学的な性差を指し、gender differencesは社会的な性差を指す。(参考)



性差に関する発表数はここ3年間でほぼ横ばいである。

2011年からの新たな徴候として、nanosymposiumに性差や雌をテーマにした発表がされるようになった。

2012年でも2011年とほぼ同数の発表がnanosymposiumで行われ、両年共にストレスに関する発表が多かった。

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2012年11月16日金曜日

Neuroscience2012 学会レビュー 1

いつもの研究室抄読会。
学会に出席した後は、そこで得た情報を研究室内で共有すべく、各自の興味のある発表について、簡単なレビューを行うようにしている。

今回は、2012年10月にアメリカ・ニューオリンズで開催された、世界最大の神経科学系学術集会、Neuroscience2012のレビュー。

学会には論文化前の情報も多いので、内容のレビューはせず、各分野のレビューに留める。

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fMRI、NIRS
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過去4年分のfMRIとNIRS関連の演題数を調べた。
この2つの技術は、脳血流動態を利用した脳機能画像研究という共通点があり、弊研究室でも使っている。
fMRIはおおむね横這い。
NIRSはその1/20ほどの演題数で、さらに減少傾向であった。

2012年11月12日月曜日

iPS細胞 ノーベル賞  

2012年のノーベル医学生理学賞は、山中伸弥先生。おめでとうございます。
この頃ノーベル賞も日本人がもらうことが珍しくはなくなっていたので気づかなかったが、医学生理学部門は1987年の利根川進先生に次いでなので、もう25年ぶりなのね。

1987年は私はまだ中学生で、高校生になって、立花隆と利根川先生の対談「精神と物質」を読んでその中身を理解できたことを思い出すなぁ…。

ノーベル賞対象論文は、マウスの細胞を用いて多能性幹細胞を誘導できた論文。
こちらから→Induction of pluripotent stem cells from mouse embryonic and adult fibroblast cultures by defined factors.
人を対象にしたものではなく、こういう基礎的研究が対象とされたことを評価したいという論評もあるが、やはりヒトで同様に誘導できたからこその受賞だとは思う。

2012年11月6日火曜日

Neuroscience2012(SfN) 学会参加の旅行記 5

ニューオリンズ最終日。

早朝、というか深夜というべき時間にホテルを出てタクシーで空港へ。
空港へ向かう場合も、逆と同じくタクシー料金は定額で、降りるときに人数分を払った。

大統領選を控え、オバマとロムニーの論戦が各州をめぐって行われている頃だったので、車中では7年前にアフリカから来たというタクシーの運転手が「昨日のオバマの討論を見たかい?彼はやっぱりやるなあ。あれこそアメリカの政治だよな」などと雑談するのを聞かされた。
おかげでアメリカでは政治に対する庶民の関心が強いという印象を受けた。

2012年11月4日日曜日

Neuroscience2012(SfN) 学会参加の旅行記 4

ニューオリンズへは学会のために行ったのであって観光に行ったわけではない。あくまで学会場を拠点にうろうろしているだけである。会場の冷房で身体が冷えるのでやむを得ず外出するのである。

朝いちばんにポスターを貼り出した日は、会場のフードコートでブランチを摂った。
Cajun sausage rollというチリビーンズの乗ったホットドッグや、激甘マフィン、野菜のような果物を食べた。

毎日夕方に学会から帰ったら、夕飯前にネットや旅行誌で今日の気分に合う店をチェックするのが日課であった。
この日はピザ気分で一致した。配達ピザを頼んでみたいとも思ったが、ホテルの近くに良さそうなイタリアンの店があったので歩いていくことにした。

the Roosevelt Hotelに入っているDomenicaというイタリアンへ。アメリカ(厚いパイのようなピザ)なのに、イタリアンらしく薄くて香ばしい窯焼きピザが美味しい。パスタはちょっと良くなかったのが残念。

2012年10月31日水曜日

Neuroscience2012(SfN) 学会参加の旅行記 3

学会場のすぐ隣にあるRiverwalk Marketplaceは、ランチやおやつを求める学会参加者で連日賑わう。

ここにあるCafe Du Monde(本店日本)の支店でベニエという名物ドーナツを食べた。
揚げたてで熱々のベニエは、さくさくもちもちとした甘くない生地である。
これに粉糖をどっさりかけてちょうど良い甘さになっている。量もほどほどで、おやつに良い。
ただ同じく名物のチコリ入りコーヒーは苦手だった。



ニューオリンズいちの繁華街the French Quarterへは滞在中に何度も行った。

ここではスペイン/フランス統治時代の面影を残して、細かな装飾の施されたアイアンレースのバルコニーを誇る建物が街並みを作って壮観なのだ。
それらは単に住宅としてだけではなく、居酒屋・バー・ライブハウス・土産店・ギャラリー・アンティーク屋として活躍中である。

また街全体の治安が悪いので、夕飯どきに出かけて(比較的)安全な場所が他にないというのも理由の一つ。観光客はたいていこのエリアに行くことになる。もちろん学会参加者も多数見かけた。

2012年10月30日火曜日

Neuroscience2012(SfN) 学会参加の旅行記 2

学会参加初日。

会場はErnest N. Morial Convention Center。地図で見ると昨年のワシントンDCの学会場のほぼ倍の広さ、幕張メッセの1.5倍もある。周辺区画と比較して5ブロックほどの土地を占める巨大な建物だ。
学会は1Fの大半をポスター会場と企業ブース、2F以上を口演会場に使っていた。
フードコートは複数あり、いずれもルイジアナ州名物のポーボーイ(フランスパンのサンドイッチ)やガンボ(米入りオクラスープ)、catfish(ナマズ)料理などのほか、果物や普通のホットドッグもある充実ぶりで、しかも安いのでなかなか便利。

しかし、それらは明日以降も同じメニューなので今日は無視。
まずは会場近くで毎週土曜にやっている朝市Farmers' Marketへ行った。
昨年行ったワシントンDCの朝市よりは随分小さめで寂しい。蜂蜜、パン、野菜などがあるのは同じだが、川・海が近いせいか、車海老ほどもある大きな海老を量り売りしていたのが目新しい。季節次第では牡蠣やカニもあるかもしれない。とはいえ、旅行中に海老を買うわけにもいかず。
結局Satsuma(温州みかん。なぜ薩摩?)12個/$5と、自家製チョコマフィンを買った。なじみのあるみかんの味が、現地の味覚に慣れるまで、我々に舌のソフトランディングを許してくれた。その代わりチョコマフィンは衝撃的な甘さだった。何事もバランス、いやできれば中庸をお願いしたいと思った。

2012年10月29日月曜日

Neuroscience2012(SfN) 学会参加の旅行記 1

 北米、ニューオリンズで開催されたNeuroscience2012という世界最大の神経科学会に参加した。
我々の研究室と姉妹研究室からは、複数のポスター演題を発表した。

以下はその旅行記。

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成田から出発。幾多の学会を経て国際線のチェックインにも慣れてきた院生諸氏は、待ち合わせて相談するまでもなく搭乗ゲート前で合流。

今回はDeltaではなくUnited Airlinesで行く。搭乗したUA機は全体に清潔感があり、CAさんの応対も丁寧か。食事は結構おいしいし、ディスプレイは各自にあるしで、ちょっとお得感あり。仲間内では高評価だった。
途中、「お医者様はいらっしゃいませんか」というあの放送が流れた。数人の医師が現れたが、客室の後ろの方に集まっていた。みんな学会参加者だから神経系ばかりだろうなあ、と推測。結局病状は大したことも無く治まったようで、患者らしき人も後ですっと席に戻っていた。

2012年9月26日水曜日

第35回神経科学大会の報告~恐怖、性差~


今回の抄読会は神経科学大会の発表についての報告会であったので、その内容を抄録から逸脱しない範囲で紹介したいと思う。
キーワードは、『恐怖』である。オンライン検索システムであるRASTに『fear』と入力した際に該当した4年間分の発表数をまとめた(右図)。どうやら、ここ3年間で恐怖に関する発表数に目立った変化はないようだ。

2012年9月11日火曜日

食行動の改善は、血中BDNFを増やす

Recovery of low plasma BDNF over the course of treatment among patients with bulimia nervosa.
Yamada H, Yoshimura C, Nakajima T, Nagata T.
Psychiatry Res. 2012 Mar 16.

 過食症患者ではBDNFが低値であるが、行動プログラムによる食行動改善により血中BDNF値も改善されたという研究

 Brain-derived neurotriphic factor(BDNF)とは、脳由来神経栄養因子であり、神経細胞の発生や成長、維持、修復に関与し、さらに学習や記憶、情動、摂食、糖代謝などにおいても重要な働きをする分泌タンパク質である。神経由来因子(neurotrophin)とは、神経細胞の発生、成長・維持・再生を促進させる物質の総称であり、これまでにさまざまな栄養因子が同定されている。神経栄養因子として最初に発見されたのは神経成長因子(NGF、1951)であり(発見者Levi-Montalchiniらはノーベル賞受賞、1986)、次いで1982年にNGFと近縁の遺伝子産物として脳由来神経栄養因子(BDNF)がBradeらによって発見された。(Nofujiら、2009)

2012年8月29日水曜日

情動制御のストラテジー

How to Regulate Emotion? Neural Networks for Reappraisal and Distraction
Kanske P, Heissler J, Schonfelder S, Bongers A, Wessa M
Cerebral Cortex 2011;21:1379--1388.

情動Emotionとは、恐怖、不安、喜びなど、快不快さまざまな感情の変化をさす。
不快な情動はストレスになるので、動物は成長の過程で、不快な情動が起きないように制御することを学習する。
臨床心理学分野ではよくその情動制御の方法(上手な考え方)をストラテジーと呼ぶ。


ある不快な写真、たとえば生々しい傷や、動物の死体や、昆虫ののった食品を見たとき、「うわっ嫌なものを見てしまったな」と思うだろう。
そんなときに誰しも無意識に使っている情動制御のうち、主なストラテジーは二通りである。

・ Reappraisal(再評価): 自分に起こった情動をメタ認知的に再評価すること。「なぜ自分は写真で不快になったのか」「これはただの写真なのに」「自分には関係ない」「写真で不快になるなんて無意味だ」といった考え方。
・ Distraction(阻害、気をそらす): 情動を起こしたものとは別の情報に注意を向けること。「そんなことより~を考えなきゃ」と考える。

前者は外部情報を重く受け止めすぎる精神疾患、たとえば不安神経症、うつ病などに対する認知行動療法で、患者に中心的に学ばせる手法である。
また後者の例には、自閉症児が新規な環境にストレスを感じたとき、外部情報入力を絶って、自分の好きなもの(たとえば電車の駅名、算数の問題)を考えるという対処法がある。

2012年7月30日月曜日

非認識下では恐怖は素早く獲得され、すぐに忘れられる

Raio CM, Carmel D, Carrasco M, Phelps EA.
Curr Biol. 2012 Jun 19;22(12):R477-9.

   脅威の可能性を持った刺激に対して学習していくことは適応能力の一つである。

   ある視覚刺激が脅威を持った刺激と組み合わされたとき、生理学的及び神経学的反応を示すようになる。

   さて、この視覚刺激による関連学習が我々の意識に上る時と、上らない時で違いはあるのだろうか?

最近の意識と情動学習に関する総説により、意識の有無によって神経活動のパターンや行動・生理学的反応のタイムコースが異なることが示唆されている。

この研究はヒトでの恐怖条件づけ課題により、上記の示唆を確かめようという研究である。

2012年7月19日木曜日

アルツハイマー病変は静かに先行する


Clinical and Biomarker Changes in Dominantly Inherited Alzheimer's Disease


アルツハイマー病(以下AD)は最も一般的な認知症であり、超高齢化社会を迎える我々にとって、その予防が出来れば素晴らしいことこの上ない。

WHO予測では、2050年には世界で1億人以上が罹患する。現在の我が国では統計にもよるが、65歳以上人口はおよそ3000万人、認知症者は2011年にNHKニュースで270万人以上との予測が報じられている。ADはそのうち60%以上を占めるはずだから、160万人以上か。


ところで、常染色体優性遺伝(親の片方がADなら、子の1/2にADが発症する)を示す、家族性ADがあり、その原因遺伝子としては、3つが同定されている。Aβの元になる、アミロイド前駆タンパク質遺伝子(Amyloid precursor protein;APP)、細胞内でAPP処理にあたるプレセニリン1遺伝子(Presenilin1;PSEN1)とプレセニリン2遺伝子(Presenilin2;PSEN2)である。言い換えれば、この3つの遺伝子に変異をきたしていれば、アルツハイマー病が発症する。この内PSEN1遺伝子変異が最も多く、家族性ADの70%程を占めている。
発症年齢も往々にして早く、60歳以下である→早期発症型家族性アルツハイマー病


さて、ADの病的本態は、脳内における、アミロイドベータタンパク質の沈着にあり、アミロイドタンパク(以下Aβ)蓄積が発症イベントであるという仮説が昔から有力である(近年揺らいできてもいるが詳細は略)。従って、Aβタンパクの蓄積を早い段階で検出出来れば、AD診断を臨床症状の発現前にすることができるだろうというのが自然な発想だが、一体何時から蓄積が始まるのか?

今回紹介する論文は、常染色体優性の家族性AD家系に属する128人の参加者に対して、上記3遺伝子いずれかの変異を持つ保因者と非保因者に分けて、後述するADのバイオマーカーを測定している。研究参加者128人の内、非保因者40名、保因者88名(内、症状のない者45名、ある者43名)である。

2012年7月18日水曜日

実験デザインが脳に偽陽性を生む

Eklund A, Andersson M, Josephson C, Johannesson M, Knutsson H.
Neuroimage. 2012; 61(3):565-78.

先日に引き続き、fMRIの妥当性の研究のご紹介。

本研究では、resting conditionのfMRIデータばかりを大量に(1,484人分も!)集め、推定値ではなく真の値に近い偽陽性出現率(Familywise error rate)を調べている。
解析に用いたのは、やはり今最も使われているSPM8である。

resting conditionの撮像なので、仮想的に設定した認知タスクと同期した脳活動があるはずがないのは、死んだ鮭と同様である。

興味深いのは、fMRIのタスクデザイン、TR(repetition time)などの撮像パラメータにより、偽陽性出現率が変化するという結果である。

1. 事象関連デザインよりブロックデザインの方が出現率は高くなる
2. 両デザインともevent/blockが長いほど出現率が高くなる
3. TRは(1,2,3秒の条件で比較して)、短いほど出現率が高くなる
ということが判明した。
TR=1秒、30秒のブロックデザインという、悪条件をそろえたら、偽陽性出現率はなんと70%にも及んでしまった。
よく使われるTR=2~3秒、20~秒のブロックデザインでも、偽陽性出現率は20%を下回らない。

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鮭論文に引き続き、なんと恐ろしい、かつ挑発的な結果であろうか。

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Photos: Fireworks in Omagari, Akita, Japan
(One of Greatest Firework Festival in Japan)

2012年7月17日火曜日

唾液コルチゾールは、うつ病のエンドフェノタイプとして有効か

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22703642

The effect of escitalopram versus placebo on perceived stress and salivary cortisol in healthy first-degree relatives of patients with depression-A randomised trial.



うつ病患者の第一度近親者で無作為割り付けを行い、SSRIとプラセボ投与群の二群にわけ、認識されるストレスと唾液コルチゾール値の影響を調べた論文である。

唾液コルチゾールは中間表現型(Endophenotype)で、唾液コルチゾール検査は、簡単で非侵襲的でストレスがないため、HPA系のストレス反応システムの評価法として知られている。
この研究者らの最近の研究では、うつ病患者で唾液コルチゾールが増加しているという報告があるが、小さな差であったので、確固たる証拠はないとしている。
これまでのSSRIと唾液コルチゾールの関係性における研究では、シタロプラムの単回投与で、唾液コルチゾールとプロラクチンレベルに有意に効果があった、6日間のシタロプラムを使った短期介入は、唾液コルチゾールを増加させる傾向にあった、また、ラットでの15日間のシタロプラムの介入ではHPA系のホルモンであるコルチコステロンやACTHの減少が見られた等の報告がある。

研究者らは、今回は、患者自身ではなく、家族の第一度近親者を対象にSSRIを投与し、ストレスと唾液コルチゾールへの影響を調べている。エンドフェノタイプは、家族の非罹患者において、一般人口より多く見られる。

2012年7月13日金曜日

BDNF遺伝子多型が運動野の興奮性に影響する

Differential modulation of motor cortex excitability in BDNF Met allele carriers following experimentally induced and use-dependent plasticity
Cirillo J, Hughes J, Ridding M, Thomas PQ, Semmler JG
Eur J Neurosci. 2012

脳由来神経栄養因子(Brain-derived neurotrophic factor; BDNF)は中枢神経系内に多く存在する成長因子である。BDNFは神経可塑性に重要な役割を果たすことが知られている。これまでに、BDNFのアミノ酸配列の中にあるバリン(Val)がメチオニン(Met)に変わっている「一塩基多型(Single nucleotide Polymorphism)」は、ヒトの海馬機能の低下、精神疾患の脆弱性、脳損傷後の神経可塑性に影響を与えることが指摘されてきた。

脳損傷後のリハビリテーションでは、運動学習により一次運動野を含む様々な脳領域で可塑的な変化が生じる。このことから、BDNFの遺伝子型が一次運動野における可塑性に与える影響は重要なテーマといえる。

本研究では、ヒトのBDNFの3種類の遺伝子型(①Val/Val ②Val/Met ③Met/Met)で群分けし、各群におけるPaired associative stimulation(PAS)と運動学習前後の運動誘発電位(Mortor evoked potentials; MEP)の変化を検討している。


2012年7月5日木曜日

鮭の脳は研究者の夢を見るか

Neural correlates of interspecies perspective taking in the post-mortem Atlantic Salmon: An argument for multiple comparisons correction
Bennett CM, Baird AA, Miller MB, Wolford GL
(リンク切れの時は「salmon fmri」でネット検索すると、PDFファイルが拾える)

死んだ鮭をMRI装置に入れ、ヒトの社会的状況に関する視覚刺激を提示して、fMRIとして解析を行った研究。
決して筆者らが頭のおかしな研究者というわけではなく、「fMRIという手法が如何に偽陽性率が高くなる危険性を含んでいるか」をあからさまに見せてやろうという挑発的な研究なのである。

被験者はAtlantic salmonという鮭。これにヒトの視覚刺激。そもそも鮭が死んでいるので脳活動がでるはずもなし。
ところが不味い解析法をすれば「視覚刺激に対応して活動した脳領域」が見つかってしまった。

2012年6月20日水曜日

女性ホルモンが脳内神経回路と行動をオス化する

Estrogen masculinizes neural pathways and sex-specific behaviors.
Wu MV, Manoli DS, Fraser EJ, Coats JK, Tollkuhn J, Honda S, Harada N, Shah NM.
Cell. 2009 Oct 2;139(1):61-72.


性ホルモンは神経回路の発達と性特異的な行動に不可欠である。
オス特異的な行動の発現にはテストステロンとエストロゲンが必要であるが、
その二種類のホルモン経路がどのように協調して働いているのかは明らかではない。

この研究では神経回路の発達とオス特異的な行動へのテストステロンとエストロゲン
の関与について調べている。

この研究を理解するためには『アロマターゼ仮説』に関する知識が必要なため、
以下にその仮説について簡単な説明を加える。

2012年6月7日木曜日

fMRIでみた意志決定の年齢差


Aging and decision making under uncertainty: behavioral and neural evidence for the preservation of decision making in the absence of learning in old age.

Hosseini SMRostami MYomogida YTakahashi MTsukiura TKawashima R.

Source

Department of Management Science and Technology, Graduate School of Engineering, Tohoku University, Aoba-ku, Sendai, Japan.
Neuroimage. 2010 Oct 1;52(4):1514-20.

   加齢が不確かな状況下での意思決定に影響しているのか、行動と神経学的側面から論じている。
これまでの脳画像研究では、加齢に伴って前頭葉、頭頂葉が急速な割合で萎縮することが報告されている。このことから、認知機能の低下が予測され、高齢者が日常、意思決定する上でのリスクが高くなると考えられるが、年齢による経験値でそのリスクは相殺されている可能性がある。さらに、結果を予測するための情報が与えられている場合には、有利な意思決定が出来ると報告されている。しかし、学習を求められるようなタスク、例えば、刺激と反応の関係性の習得を求められるようなタスクでは、若い人に比べてパフォーマンスが低下するとの報告もある。
 
  本研究は、学習することを求めず、予測情報のみを与えた場合の意思決定の際の、年齢による相違をfMRIと合わせて検証している。

2012年5月30日水曜日

禁煙中の愛煙家は神経可塑性に異常

Neuroplasticity in cigarette smokers is altered under withdrawal and partially restituted by nicotine exposition.
Grundey J, Thirugnanasambandam N, Kaminsky K, Drees A, Skwirba AC, Lang N, Paulus W, Nitsche MA.
J Neurosci. 2012; 32(12): 4156-62.


タバコに含まれるニコチンは、ニコチン性アセチルコリン受容体を介して神経細胞の活動性を増強する。この受容体は神経可塑性に影響して学習・記憶に関与するため、喫煙常習化や禁煙が神経活動を変化させるだろうと言われている。
実際にニコチンを非喫煙者に与えると、一時的な注意力、作業記憶などの向上が見られる。また、喫煙者に禁煙させるとそれらが増悪し、ニコチンを与えると能力が改善するという。
これらの知識は、一見するとニコチンは良い作用を及ぼしていると見えそうだが、ニコチンの依存性に寄与するメカニズムではないかと考えられてもいる。

本研究ではそのメカニズムを解明するために、禁煙させた喫煙常習者(以下、愛煙家とする)の神経可塑性に対するニコチンの影響を、2種類の方法で検討している。

2012年5月27日日曜日

喫煙は脳BOLD信号を増強させる

Friedman L, Turner JA, Stern H, Mathalon DH, Trondsen LC, Potkin SG.
Neuroimage. 2008 Apr 15;40(3):1181-94.


長期間の喫煙がBOLD信号に与える影響についての報告。

脳機能を画像的に評価する方法で、いま一番使われているのは機能的MRI(functional MRI, fMRI)である。
この手法は、組織のヘモグロビン(血色素)濃度の変動を調べることで、直接観察しにくいヒトの脳活動を間接的に評価する。
その理論的背景には、神経活動は近傍の組織の血流変動を伴うという原則がある。指を動かせば指の運動を司る領域で、画像を注視すれば視覚に関連した領域で、それぞれ神経細胞が最寄りの血管を拡張させて血流を増やすので、組織中ヘモグロビン濃度の変化をもたらすとされている。

2012年5月22日火曜日

嗅覚の異常は不安の原因

Olfactory deficits cause anxiety-like behaviors in mice
Glinka ME, Samuels BA, Diodato A, Teillon J, Feng Mei D, Shykind BM, Hen R, Fleischmann A
J Neurosci. 2012 May 9;32(19):6718-25.

不安症状と言うのは様々な感覚刺激が引き金となって誘発されるが、一方で感覚をなくすことが不安にどのような影響を及ぼすのかはあまり分かっていない。

この論文は遺伝子改変マウスを使い、嗅上皮からの匂いの伝達がおかしくなると不安様行動が増加することを見つけたもの。

いわゆる「普通の匂い物質」と「フェロモン」は、鼻の中でも異なる場所で感じ取っている。匂い物質の情報は嗅上皮(MOE)から脳の主嗅球へ伝達され、フェロモンの情報は鋤鼻器(VNO)から脳の副嗅球へ伝達される。

2012年5月17日木曜日

神経細胞は記憶の記録係

Liu X, Ramirez S, Pang PT, Puryear CB, Govindarajan A, Deisseroth K, Tonegawa S.
Nature. 2012 Mar 22;484(7394):381-5.

この研究では学習時に活性化した神経細胞を再び刺激することで学習内容を呼び起こすことができるかどうかを調べている。


れまで、学習時に活性化した神経細胞を特異的に再刺激することが困難であったが、最先端の遺伝子工学の技術を応用することでこの問題を解決した。


2012年4月27日金曜日

体外離脱体験は突然に

いつもの抄読会のあと、Unknownさんが取り出したのはヘッドマウントディスプレイとUSBウェブカメラ。

「今日はこれで例の記事の実験を体験してみましょう」とのこと。

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Nature ダイジェストに載って、面白そうなのでやってみようということになった例の記事とはこちら。
Out-of-body experience: Master of illusion.
Yong E.
Nature. 2011 Dec 7;480(7376):168-70.

上の記事はあくまで研究紹介である。この中でサイエンスライターのYongがストックホルムの神経科学者Ehrssonらの成果を紹介していた。

我々が研究室で試した実験は、代表的なこちらの論文に載ったもの。
The experimental induction of out-of-body experiences.
Ehrsson HH.
Science. 2007 Aug 24;317(5841):1048.

そしてこの実験を端的に言えば、「体外(幽体)離脱体験」である。

2012年4月24日火曜日

思春期のストレスは成長後の恐怖反応を増強する

Juvenile stress potentiates aversive 22-kHz ultrasonic vocalizations and freezing during auditory fear conditioning in adult male rats.
Yee N, Schwarting RK, Fuchs E, Wöhr M. Stress. 2012 Jan 10.

思春期のストレスフルな体験が、大人になってからの恐怖反応に影響を及ぼすという論文。

以前より若齢期のトラウマ的な体験やストレスによって、将来不安障害を発症するリスクが高まるのではないかと言われていた。

そこでこの筆者たちは、ラットを使って思春期にストレスを与え、成長後に恐怖条件づけ課題を用いて恐怖反応に違いが現れるかどうかを調べた。
これだけだとそんなに新しいアイデアでもないが、特徴は恐怖反応の指標として最も広く用いられているFreezing(すくみ反応)だけでなくUltrasonic vocalization(USV:超音波発声)も測定していること。

2012年4月17日火曜日

海馬–前頭前野の結合性の違いは長期記憶のパフォーマンスに反映される

Hippocampal-prefrontal connectivity predicts midfrontal oscillations andlong-term memory performance.


Cohen MX. Department of Psychology, University of Amsterdam, Weesperplein 4, Amsterdam 1018 XA, The Netherlands.


この論文は、ヒトの認知機能研究における「個人差を考慮した解析の重要性」と「multimethodological approachesの必要性」を示したもの。


私たちは今までの経験上、認知機能 、特に記憶能力には個人差がある事を認識している。
例えば、「○○は記憶力がいい」とか「△△は記憶力がわるい」とか。


しかしながら、これまでの認知機能研究では、計測結果における個人差はノイズとして捉えられ、平均化する事により相殺されている。
つまり、研究結果に個人差が反映されていないということ。


そこで、この著者は、ワーキングメモリ課題–長期記憶課題と脳波測定–拡散テンソル画像法を組み合わせる事によって、「構造的、機能的な個人差を反映した結果」を示している。

2012年4月16日月曜日

前頭葉機能をtDCSで強化する


Facilitation of probabilistic classification learning by transcranial direct current stimulation of the prefrontal cortex in the human
Tamás Z et al.,
Neuropsychologia 2004;42(1):113-7.

前頭葉課題を使った学習が、tDCS(Transcranial Direct Current Stimulation; 経頭蓋直流電気刺激)を左前頭前野に行うことで促進されるという内容。

やや古いが、tDCSが前頭葉課題学習を促進させる内容として結果がきれいなので紹介した。

tDCSがなんぞやというと、0.5mA~2mAほどの直流電気刺激を、頭皮上に与えることで、その直下の大脳皮質を刺激するというもの。
原理や手技的にはとても簡単なため、実は歴史は古い。

昨年のNature Digest 7月号に簡単な特集があったが、それによると、再び注目を集めたのは、1990年にPrioriらが行った実験結果を、実に1998年になってようやく認められ出版されてからのようだ。

2012年4月13日金曜日

恐怖記憶と関連のある脳部位は?

Luyten L, Casteels C, Vansteenwegen D, van Kuyck K, Koole M, Van Laere K, Nuttin B.
J Neurosci. 2012 Jan 4;32(1):254-63.

この研究は恐怖条件づけとラット用のPET(micro-PET)を組み合わせて恐怖記憶に関わる脳領域の特定を試みた研究。

恐怖条件づけには海馬依存的なパラダイムと海馬非依存的なパラダイムがあるが、この研究では前者を主な標的としている。
この研究ではmicro-PETを使うことで生きたラットの無傷な脳の代謝を調べることができる。

この手の研究にはこれまで脳の破壊実験や薬物投与による特定領域の不活化、脳摘出後の免疫染色など様々な手法が用いられてきたが、脳へのダメージや死後脳の使用という制限があった。

2012年4月3日火曜日

植物状態なのに脳内では返事できる患者

Cruse D, Chennu S, Chatelle C, Bekinschtein TA, Fernandez-Espejo D, Pickard JD, Laureys S, Owen AM.

Lancet. 2011 Dec 17;378(9809):2088-94.

以前ブログに載せたこちらの記事のチームによる報告。
大まかに述べると、植物状態の患者に音声による指示を与え、脳波で反応がとれたというものである。

植物状態は、大脳の認知機能などは絶たれているが、脳幹機能(呼吸・循環ほか)は保たれているというもの。遷延性意識障害とも呼ばれる。
「脳幹を含む全脳機能の不可逆的な停止」という脳死とは異なり、自発呼吸ができるので一見するとただ横になっている人のようにみえる。

重度の意識障害の患者を植物状態と診断するとき、体動で反応できないことなどを基準にする。 しかし最近の脳機能画像的研究により、そうした患者のうちに脳内では反応が出来ていることを示すことができるとわかってきた。

2012年3月14日水曜日

思春期は恐怖記憶を消去しにくい

Kim JH, Li S, Richardson R.
Cereb Cortex. 2011 Mar;21(3):530-8.

思春期(Adolescence)は多感な時期であり、うつ病や自殺等の予後に対する個人差が大きい時期でもある。

近年ではMRIやSPECTといった脳を撮像する技術と動物実験の目覚ましい発展により、以下の2つのことが示唆されるようになった。

1.前頭前野が思春期に劇的な変化を起こすこと。
2. その前頭前野の変化が思春期の多感性や精神疾患の予後に影響を及ぼすこと。

そこで、成長過程と長期的な恐怖記憶消去の関係についてラットを用いて調べてみようというのがこの研究。

2012年3月7日水曜日

記憶形成における脳波律動とBOLD信号の関係

The relationship between brain oscillations and BOLD signal during memory formation: a combined EEG-fMRI study.
Hanslmayr S, Volberg G, Wimber M, Raabe M, Greenlee MW, Bauml KH.
J Neurosci. 2011 Nov 2;31(44):15674-80.
(Baumlのaはウムラウト)

記憶とは、多くの研究者が興味と関心を寄せている認知機能の1つである。

「記憶の遂行中にヒトの脳はどうなっているのか?」この疑問を解くために脳波を使用した有益な研究が行われてきた。
例えば、記憶の「獲得」時には、シータ律動の増加とアルファ/ベータ律動の減少が起こることが報告されている。
しかしながら、脳波の測定だけでは、関与する脳部位や脳波で得られた特定の周波数変化が何を意味しているのかわからないのである。

2012年3月1日木曜日

恐怖条件付け/消去と、樹状突起スパインのremodelling

Lai CS, Franke TF, Gan WB.
Nature. 2012 Feb 19. doi: 10.1038/nature10792.

恐怖条件付けは新しい記憶の獲得である。

動物に未知の音刺激と、タイミングを合わせて電気ショックなどの痛みで恐怖を繰り返し与えると、その音を聞くだけで恐怖反応を示すようになる。
単独音刺激の後に起きる恐怖反応としては、マウスならすくみ上がる行動、ヒトなら発汗や瞬きなどで検出できる。

対する恐怖記憶の消去現象のメカニズムは、意外なことに記憶の消去そのものではなく、これも同じく記憶の獲得(上書き)だと考えられている。

2012年2月21日火曜日

MALDI-IMSで海馬の代謝物イメージング



(カイニン酸誘導発作後マウスの海馬ニューロンにおけるエネルギー動態を質量分析で測定し、可視化した...意訳です)
Sugiura Y, Taguchi R, Setou M.PLoS One. 2011 Mar 22;6(3):e17952.

研究室では少し話題のPLos One誌、2011年の論文。
浜松医科大の瀬藤先生の教室だが、同教室は質量顕微鏡を用いた業績で有名です。
技術を習いに行ってもいいかもしれません。


さて、論文だが、matrix-assisted laser desorption/ionization (MALDI) imaging mass spectrometryを用いてマウス海馬のCA3領域を見てみましたというもの。

2012年2月14日火曜日

意識障害患者も返事ができる

Willful modulation of brain activity in disorders of consciousness.
Monti MM, Vanhaudenhuyse A, Coleman MR, Boly M, Pickard JD, Tshibanda L, Owen AM, Laureys S.
N Engl J Med. 2010 Feb 18;362(7):579-89.

重度の意識障害、いわゆる「植物状態」と最小意識状態の患者のうち、少数例に脳機能上観察可能な応答がみられた、という研究。

患者たちの発症の原因はいろいろで、おもに低酸素血症、頭部外傷、脳卒中など。

本研究に参加した計54名に対して機能的MRI(fMRI)検査を行った。

2012年2月10日金曜日

実験指導について先達に学ぶ

明治大正の物理学者で、夏目漱石に師事した文人でもある寺田寅彦の作品を読んでいたら、ここで紹介したいものがあった。

本作は、大学教員であった氏が学生の物理実習指導をすることになり、その教授法について述べたものである。
テーマは「物理学実験の指導」であるが、医学も含む自然科学系全般の研究者にとって研究業務や科学に対する姿勢にも汎化できる意見である。

少なくとも、医学部で生理学実習を担当して、毎年の実習で指導方法を修正しつつ学生の学習効率を高めてきたつもりの私にとっては、参考になる内容であった。

さて、ふだんの記事に比べて長いのだが、言文一致体で読みやすいので割愛することなく紹介したい。

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物理学実験の教授について
寺田寅彦

 理化学の進歩が国運の発展に緊要であるという事は永い間一部の識者によって唱えられていたが、時機の熟せなかったため一向に世間には顧みられなかった。欧洲の大戦が爆発して以来は却って世間一般特に実業者の側で痛切にこの必要を感ずるようになったと見え、公私各種の理化学的研究所が続々設立されるようになった。それと同時に文部省でも特に中等教育における理化学教授に重きをおかれるようになって、単に教科書の講義を授くるのみならず、生徒自身に各種の実験を行わせる事になり、このために若干の補助費を支出する事になった。これは非常によい企てである。どうかこのせっかくの企てを出来るだけ有効に遂行したいものである。

 自分は中等教育というものについては自分でこれを受けて来たという以外になんらの経験もないものであるが、ただ年来大学その他専門学校で物理実験を授けて来た狭い経験から割出して自分だけの希望を述べてみたいと思う。勿論我田引水的のところもあろうが、ただこれも一つ参考として教育者の方々に見て頂けば大幸である。

2012年1月10日火曜日

予演会

1~3月は、大学院修了のための論文審査が行われる季節である。

自分がやってきた研究を論文にまとめて提出する、だけではない。
本審査はたいてい、自分の担当でない複数名の教授の前で口頭発表するのだ。

もちろん発表後には質疑応答の時間も設けられていて、学会・研究会で発表するのに似ているのだが、「審査される」という気持ちがあるので、どうしても少し違う緊張がある。

そもそも院生などは、どこかで研究発表する経験が乏しいので、何だって緊張はする。

2012年1月5日木曜日

明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。

滞りがちな更新にも拘わらず、 私どものブログに実に多くの閲覧をいただいて、関係者一同たいへん嬉しく思っております。
この場を借りて感謝申し上げます。

これからも脳・神経系の学術論文レビュー、学界ニュースレビュー、旅行記などを中心に、情報を充実させるべく努めていきますので、よろしくお付き合いください。

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Photo:
Senso-ji, Asakusa, Tokyo