
以下はその旅行記。
(以降の記録は複数の同行者による共著である。各自が学会発表や興味のある分野の発表を聞きに行った上で、空き時間を埋めるべくそれぞれ活動した記録の集成であって、まともに学会に参加せず全行程を遊び抜いた者がいたことを意味するものではない。)
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夕方の成田空港へ集合。成田空港の国際線ターミナルの雰囲気は、海外旅行へ行く人々の期待がはやる雰囲気を作っているように感じられる。
昨年の印象がよかったので今年もUnited Airlinesで行くことになっていた。夕飯としての機内食にチキンカレーの選択肢があって喜んだ。ご飯の横にカレーがかけてあるのが日本食的で良い。
食後に北米製のキリンビールを一缶もらった。実質これが最後の日本食になるだろう。
うとうとして、ふと目が覚めると外はもう明るくなっていた。雲の隙間から太平洋が見えた。現在地を表す地図によれば、あと2時間ほどでアメリカ大陸が見えてくるというところか。やがてジュースや朝食が運ばれてきた。あっさりしたソーセージとオムレツ、レーズンパンをもそもそと食べ、まだまだ日本の朝食的であることに安心した。

長い長い入国審査待ちの列にトラップされ、結局次便を逃してしまった。代わりの席をと航空会社に相談したところ、学会が開催されるサンディエゴ行きの便はどれも満席で、なんとか席が取れたのは翌日夜の便であった。つまりその夜はサンフランシスコで余計な一泊二日を過ごさねばならなくなってしまったのである。とはいえニューヨークのときがすごかったので、ああ今年もまたトラブルかあ、と今回は幾分寛容に受け止めた。
空港からサンフランシスコ市街へ行くとき、タクシーの運転手に経緯を話すと「今日はサンフランシスコで一泊?Good!」と明るく返されたのも、我々の気持ちを楽にした。

ガイドブックを見たりネット検索したりしながら、メトロと徒歩で行ける範囲をぶらぶらした。
サンフランシスコといえばゴールデンゲートブリッジだが、ベイブリッジもなかなか壮観である。日が落ちたばかりで薄暮のサンフランシスコ湾にかかるベイブリッジの橋脚は市街のシルエットで覆われブルーに、そして上の方は夕日の残照でピンク掛かった柔らかな朱色に染まっていた。サンフランシスコ湾を挟んで東側の対岸、おなじく朱色に包まれたオークランドの街並みから、その斜面にある建物群の窓たちに反射した夕日が、きらきらとラメのような光をこちらへ返していた。
振り返ると、地上を走るメトロの線路がある。両側に高い椰子の並木を添え、さらに線路の両側を見慣れぬ車が走り、陸側には高級住宅街が拡がっている。それらが次第にテクスチャを失い、シルエットに変わっていくのを右手に見ながら南下する。
写真を撮ったりウミネコの大きさに驚いたりしつつ、湾沿いの遊歩道を散歩した。
サンフランシスコは都会である。ホテルからすぐの距離にセブンイレブンやダイソー、源吉兆庵まであって驚いた。
ダウンタウンは清潔感はあるがホームレスが多い。一度彼らと目を合わせてしまうと積極的に話しかけて付きまとうのがこれまで行った都市とは違うようだ。
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Photos: Fog over San Francisco; Golden Gate Bridge; the Ferry Building
San Francisco, USA
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