2012年4月17日火曜日

海馬–前頭前野の結合性の違いは長期記憶のパフォーマンスに反映される

Hippocampal-prefrontal connectivity predicts midfrontal oscillations andlong-term memory performance.


Cohen MX. Department of Psychology, University of Amsterdam, Weesperplein 4, Amsterdam 1018 XA, The Netherlands.


この論文は、ヒトの認知機能研究における「個人差を考慮した解析の重要性」と「multimethodological approachesの必要性」を示したもの。


私たちは今までの経験上、認知機能 、特に記憶能力には個人差がある事を認識している。
例えば、「○○は記憶力がいい」とか「△△は記憶力がわるい」とか。


しかしながら、これまでの認知機能研究では、計測結果における個人差はノイズとして捉えられ、平均化する事により相殺されている。
つまり、研究結果に個人差が反映されていないということ。


そこで、この著者は、ワーキングメモリ課題–長期記憶課題と脳波測定–拡散テンソル画像法を組み合わせる事によって、「構造的、機能的な個人差を反映した結果」を示している。


具体的には、
「海馬–右腹外側前頭前野の結びつきが強いヒトほど、ワーキングメモリ課題中に前頭中心部で低周波数の脳波が観測され、さらに、長期記憶課題の成績が良かった」ということらしい。


これらの結果により、著者は、
1)認知機能研究において、「個人差を踏まえた解析が重要」である
2)脳波計測では調べる事が出来ない点を「multimethodological approaches」により明らかに出来ると述べている。


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この論文、authorが一人です。



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Photo: Washington Monument, Washington DC

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