Yu X, Wadghiri YZ, Sanes DH, Turnbull DH.
Nat Neurosci. 2005 Jul;8(7):961-8.

今回の論文ではMEMRIを使うことで、非侵襲的かつ長期間に渡って同一個体の脳活性を追うことが可能であることを示しています。

まず、MRIで画像を修得する24時間前にMnCl2をi.p.で投与し、自由行動下のマウス(鼓膜破壊群とコントロール群)に対して24時間音を聞かせ、その後110分間撮像し、両群の差分を用いて聴覚関連脳領域の活性化マップを描き出しています。
解像度は100 μmとなっています。
MEMRIによる下丘の聴覚マップが先行研究のIn vivo電気生理のそれと同様であることを報告しています。
解像度は100 μmとなっています。
MEMRIによる下丘の聴覚マップが先行研究のIn vivo電気生理のそれと同様であることを報告しています。
さらに、片耳だけ鼓膜を破壊する方法を用いて同一個体で聴覚関連の脳マップについて調べています。この結果も電気生理を用いた先行研究の結果と一致したことを報告しています。
最後に、片耳に対する鼓膜の破壊を聴覚関連領域が発達する前若しくは後に行い、それらの影響を成長と共に調べています。この実験では、鼓膜破壊による聴覚関連領域への影響は聴覚が発達する前の方が大きく、永続的であることを示しています。
以上の結果により、MEMRIの精度・簡便性・非侵襲性・観察可能期間の点から、この方法の有用性を示しています。
なお、臨床ではマンガン系の造影剤として、消化管の造影剤である塩化マンガン四水和物製剤(商品名ボースデル)が発売されていますが、薬物動態の結果からはMnが血中に移行することはほとんどなく、ヒトの脳活性を調べるのに応用はされていないようです。
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自由行動下での脳地図を描ける点、それを発達段階に応じて断続的に得られる点、非侵襲的な点で非常に有用な手法だと思う。MRIのコストが高いのが難点ではあるが・・・。
タスクとして音を24時間も聞かせるものとなっているが、もっと短い時間でも可能なのかが気になった。もし、可能であるならば我々の実験にも応用することが可能となり、かなり面白いと思う。
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Photos: Okinawa Churaumi Aquarium, Okinawa, Japan
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