2010年6月1日火曜日

遺伝子ドーピングの時代


Gene doping : of mice and men
Hassan M.E. Azzazy et al

先週から書こうと思って忘れていた。
今後のスポーツ界に対する新たな恐怖はGene dopingらしい。

Gene dopingは、遺伝子をウイルスベクターやリポソームを利用して体内に入れたり、または注射やGene gunを使ってダイレクトに入れる方法。
まだまだトランスジェニックマウスくらいの実験かと思っていたが、予想以上に進んでた。

IGF-1は筋肉の成長や、修復、強度に関わる遺伝子。この遺伝子を組み込んだアデノウイルスベクターをマウスの後肢に打ち込むと、筋肉量が15%、強度が14%増す。その効果は4-9ヶ月も続いた。老化による衰えも少ない。トレーニングと組み合わせることでさらなる筋力アップが可能。



PPARδはエネルギーの代謝に関わる。速筋繊維から遅筋線維へ作りかえる働きがある。
この遺伝子を過剰発現させたマウスはいわゆる長距離型になり、ランニング時間は67%、距離は92%増える。脂肪たっぷりの食生活や、運動不足になっても肥満になりにくい。(すばらしい)

PEPCKは骨格筋での役割はあまりよくわかってないけれども、グルコースからATPを作るような代謝経路を調節する酵素の1つ。肝臓や腎臓では糖新生に関わる。
PEPCKを発現させたトランスジェニックマウスは長生きだし、普通のマウスの2倍速く走る。普通のマウスより60%多く餌を食べるけれども、体重は半分だし体脂肪は通常の10%(マッチョ?)。
普通のマウスはだいたい200mくらい走るが、PEPCKマウスは少なくとも4.9kmは走る。少なくとも…?


またRepoxygenという、ガンや腎臓病による貧血の患者のためのGene therapyが開発されつつあるとのこと。ウイルスベクターを使ってEPO遺伝子を導入し、これがうまく低酸素状態のときのみ働く。

今後Gene dopingはきっと問題になってくるけど、検出する方法もいろいろ検討されてきているようです。

******************************************
いつものとおりFearとかで検索してたはずなのになんかひっかかった論文。すごい世の中だなー
Google検索したら結構話題になってたみたい。
HVJベクターを以前つかってたが、破壊が大きくてベクター打ち込むのはあんま良い印象がなかった。効率良いベクターをつかえばいい感じになるんだろうか?細胞死なないのかな。

記憶力アップの遺伝子を打ちたい。
あとフェロモン出る遺伝子を打ちたい。

2 件のコメント:

  1. がんばってますね

    トレーニングと組み合わせて効果アップということは、ある程度破壊と細胞分裂する組織でないと効果が望めないのかしら。
    神経組織には遺伝子ドーピングできませんかねえ。


    フェロモンにはくねくねした動きを練習すれば良いと思います。

    返信削除
  2. 明日からくねくねして挨拶しますね★

    返信削除