2012年11月16日金曜日

Neuroscience2012 学会レビュー 1

いつもの研究室抄読会。
学会に出席した後は、そこで得た情報を研究室内で共有すべく、各自の興味のある発表について、簡単なレビューを行うようにしている。

今回は、2012年10月にアメリカ・ニューオリンズで開催された、世界最大の神経科学系学術集会、Neuroscience2012のレビュー。

学会には論文化前の情報も多いので、内容のレビューはせず、各分野のレビューに留める。

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fMRI、NIRS
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過去4年分のfMRIとNIRS関連の演題数を調べた。
この2つの技術は、脳血流動態を利用した脳機能画像研究という共通点があり、弊研究室でも使っている。
fMRIはおおむね横這い。
NIRSはその1/20ほどの演題数で、さらに減少傾向であった。

2012年11月12日月曜日

iPS細胞 ノーベル賞  

2012年のノーベル医学生理学賞は、山中伸弥先生。おめでとうございます。
この頃ノーベル賞も日本人がもらうことが珍しくはなくなっていたので気づかなかったが、医学生理学部門は1987年の利根川進先生に次いでなので、もう25年ぶりなのね。

1987年は私はまだ中学生で、高校生になって、立花隆と利根川先生の対談「精神と物質」を読んでその中身を理解できたことを思い出すなぁ…。

ノーベル賞対象論文は、マウスの細胞を用いて多能性幹細胞を誘導できた論文。
こちらから→Induction of pluripotent stem cells from mouse embryonic and adult fibroblast cultures by defined factors.
人を対象にしたものではなく、こういう基礎的研究が対象とされたことを評価したいという論評もあるが、やはりヒトで同様に誘導できたからこその受賞だとは思う。

2012年11月6日火曜日

Neuroscience2012(SfN) 学会参加の旅行記 5

ニューオリンズ最終日。

早朝、というか深夜というべき時間にホテルを出てタクシーで空港へ。
空港へ向かう場合も、逆と同じくタクシー料金は定額で、降りるときに人数分を払った。

大統領選を控え、オバマとロムニーの論戦が各州をめぐって行われている頃だったので、車中では7年前にアフリカから来たというタクシーの運転手が「昨日のオバマの討論を見たかい?彼はやっぱりやるなあ。あれこそアメリカの政治だよな」などと雑談するのを聞かされた。
おかげでアメリカでは政治に対する庶民の関心が強いという印象を受けた。

2012年11月4日日曜日

Neuroscience2012(SfN) 学会参加の旅行記 4

ニューオリンズへは学会のために行ったのであって観光に行ったわけではない。あくまで学会場を拠点にうろうろしているだけである。会場の冷房で身体が冷えるのでやむを得ず外出するのである。

朝いちばんにポスターを貼り出した日は、会場のフードコートでブランチを摂った。
Cajun sausage rollというチリビーンズの乗ったホットドッグや、激甘マフィン、野菜のような果物を食べた。

毎日夕方に学会から帰ったら、夕飯前にネットや旅行誌で今日の気分に合う店をチェックするのが日課であった。
この日はピザ気分で一致した。配達ピザを頼んでみたいとも思ったが、ホテルの近くに良さそうなイタリアンの店があったので歩いていくことにした。

the Roosevelt Hotelに入っているDomenicaというイタリアンへ。アメリカ(厚いパイのようなピザ)なのに、イタリアンらしく薄くて香ばしい窯焼きピザが美味しい。パスタはちょっと良くなかったのが残念。

2012年10月31日水曜日

Neuroscience2012(SfN) 学会参加の旅行記 3

学会場のすぐ隣にあるRiverwalk Marketplaceは、ランチやおやつを求める学会参加者で連日賑わう。

ここにあるCafe Du Monde(本店日本)の支店でベニエという名物ドーナツを食べた。
揚げたてで熱々のベニエは、さくさくもちもちとした甘くない生地である。
これに粉糖をどっさりかけてちょうど良い甘さになっている。量もほどほどで、おやつに良い。
ただ同じく名物のチコリ入りコーヒーは苦手だった。



ニューオリンズいちの繁華街the French Quarterへは滞在中に何度も行った。

ここではスペイン/フランス統治時代の面影を残して、細かな装飾の施されたアイアンレースのバルコニーを誇る建物が街並みを作って壮観なのだ。
それらは単に住宅としてだけではなく、居酒屋・バー・ライブハウス・土産店・ギャラリー・アンティーク屋として活躍中である。

また街全体の治安が悪いので、夕飯どきに出かけて(比較的)安全な場所が他にないというのも理由の一つ。観光客はたいていこのエリアに行くことになる。もちろん学会参加者も多数見かけた。

2012年10月30日火曜日

Neuroscience2012(SfN) 学会参加の旅行記 2

学会参加初日。

会場はErnest N. Morial Convention Center。地図で見ると昨年のワシントンDCの学会場のほぼ倍の広さ、幕張メッセの1.5倍もある。周辺区画と比較して5ブロックほどの土地を占める巨大な建物だ。
学会は1Fの大半をポスター会場と企業ブース、2F以上を口演会場に使っていた。
フードコートは複数あり、いずれもルイジアナ州名物のポーボーイ(フランスパンのサンドイッチ)やガンボ(米入りオクラスープ)、catfish(ナマズ)料理などのほか、果物や普通のホットドッグもある充実ぶりで、しかも安いのでなかなか便利。

しかし、それらは明日以降も同じメニューなので今日は無視。
まずは会場近くで毎週土曜にやっている朝市Farmers' Marketへ行った。
昨年行ったワシントンDCの朝市よりは随分小さめで寂しい。蜂蜜、パン、野菜などがあるのは同じだが、川・海が近いせいか、車海老ほどもある大きな海老を量り売りしていたのが目新しい。季節次第では牡蠣やカニもあるかもしれない。とはいえ、旅行中に海老を買うわけにもいかず。
結局Satsuma(温州みかん。なぜ薩摩?)12個/$5と、自家製チョコマフィンを買った。なじみのあるみかんの味が、現地の味覚に慣れるまで、我々に舌のソフトランディングを許してくれた。その代わりチョコマフィンは衝撃的な甘さだった。何事もバランス、いやできれば中庸をお願いしたいと思った。

2012年10月29日月曜日

Neuroscience2012(SfN) 学会参加の旅行記 1

 北米、ニューオリンズで開催されたNeuroscience2012という世界最大の神経科学会に参加した。
我々の研究室と姉妹研究室からは、複数のポスター演題を発表した。

以下はその旅行記。

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成田から出発。幾多の学会を経て国際線のチェックインにも慣れてきた院生諸氏は、待ち合わせて相談するまでもなく搭乗ゲート前で合流。

今回はDeltaではなくUnited Airlinesで行く。搭乗したUA機は全体に清潔感があり、CAさんの応対も丁寧か。食事は結構おいしいし、ディスプレイは各自にあるしで、ちょっとお得感あり。仲間内では高評価だった。
途中、「お医者様はいらっしゃいませんか」というあの放送が流れた。数人の医師が現れたが、客室の後ろの方に集まっていた。みんな学会参加者だから神経系ばかりだろうなあ、と推測。結局病状は大したことも無く治まったようで、患者らしき人も後ですっと席に戻っていた。