2011年9月6日火曜日

科学系ニュース_2011.9.6

▼若い血は脳を若返らせる?
若いマウスと老マウスの循環をつなげてやると、若いマウスの認知能力は下がり、
老マウスは上がる。神経新生が変わるらしい。その因子は血中にあるケモカイン、
CCL11だと。
http://www.nature.com/nature/journal/v477/n7362/full/nature10357.html

若い血が欲しくなりますね。老齢マウスでも神経前駆細胞は生きているから、
環境が整えば脳は若返る可能性。

▼長時間労働は生産性を高める?
Look at Quiñones-Hinojosa's labo. Labo members work so hard even over Christmas
and New year, which sounds pretty unusual for westerners for me.
The boss, hard working surgeon, let his cancer patients to attend the lab meeting,
which reminds the lab members the urgency of their work.
Does such kind of working style produce better results than 9 to 17 work style?


まぁ強制されなければ、好きな時間だけ研究できるというのはある意味特権ですよね。
院生時代に戻りたくなります。

▼組織透明化試薬 Sca/e
理研のお仕事。写真を見ること。
蛍光たんぱくの発光を阻害しないのがミソ。

もっともこんな試薬はすでにある。深さが500μと浅いですね。

2011年9月5日月曜日

GABAA受容体は海馬神経新生を時空間特異的に制御

Spatiotemporal specificity of GABAA receptor-mediated regulation of adult hippocampal neurogenesis
Venceslas Duveau et al

神経新生にGABAの伝達が重要であることは以前から報告されていたけれども、GABA受容体のどのサブユニットがどんな役割をしているのかはまだ解明されていませんでした。
GABAA 受容体にはポストシナプスに発現していてPhasicな抑制に関与するものと、シナプス外に発現していてTonicな抑制に関与するものがあります。この研究ではPhasicなGABAA受容体に含まれるα2サブユニット、TonicなGABA受容体に含まれるα4、δサブユニットのそれぞれのKOマウスで海馬Dentate gyrus(DG)の神経新生がどう変化するかを調べています。

その結果、α2とα4サブユニットはそれぞれ神経新生に特異的な役割を持つことがわかりました。

2011年8月31日水曜日

魚釣りへ

研究室の院生とその友人たちで、ふと思い立って魚釣りに行った。

朝6時に大学に集合、千葉市から南へ1時間弱、市原市のマルエイ海づり公園へ。
東京湾に浮いた桟橋から釣れる施設は早朝から既に賑わっていた。

参加者全員が全くの素人で、道具も持っていないが、施設に竿のレンタルと仕掛けの販売もあるというので、氷と財布だけ持って行った。

入場料、竿レンタル、 仕掛けやエサの購入で2000円くらい/人のレジャー。

2011年8月29日月曜日

TMSの作用機序と確率共鳴

Stochastic Resonance Effects Reveal the Neural Mechanisms of Transcranial Magnetic Stimulation.
Schwarzkopf DS, Silvanto J, Rees G
The Journal of Neuroscience, 2011, 31(9): 3143–3147

経頭蓋磁気刺激(TMS)の神経作用機序についての論文。
TMSは作用機序がいまいち判っていないので調べました、とのこと。
判読困難な視覚課題遂行中にTMSを与えたところ、課題の成功率が変化するという現象を発見し、

確率共鳴Stochastic resonanceの概念で解釈できたという報告。

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確率共鳴とは、閾値下のシグナルが、ノイズ印可によって検出可能になる現象である。

2011年8月26日金曜日

科学系ニュース_2011.8.30

興味ある人は原著を当たってみよう。

▼チンパンジーとヒトでは、幼児期の脳の成長スピードに違いが。アイちゃんの松澤先生の研究ですね。

確かに人は急速に成長。
マカクは子供も大人も変わんない…。

▼男の子は自分の話をするのを時間の無駄に思う。(恥ずかしいからではない)

女の子は違うと。だから、親は男の子に、そうではないんだと、無駄じゃない時もあるよと話すことを促し、女の子には、それ以外の方法もあるよと促すことを研究者は推奨。

こういう性質も生得的なのかなと思う反面、そう決めつけられてもな…。

2011年8月19日金曜日

海馬と皮質における樹状突起spine形成と記憶

The formation of recent and remote memory is associated with time-dependent formation of dendritic spines in the hippocampus and anterior cingulate cortex.
Restivo L, Vetere G, Bontempi B, Ammassari-Teule M.
J Neurosci. 2009 Jun 24;29(25):8206-14.

「短期記憶から長期記憶へと変わっていく過程で、海馬から大脳皮質へ移っていく」という話の裏付け。
音と電気ショックにより、条件つきの恐怖記憶をつけられた動物の脳内で、海馬と大脳皮質(前部帯状回)をゴルジ染色し、樹状突起のスパイン密度を調べた。
記憶形成から1日後(Recent)には海馬でスパイン密度の上昇があった。36日後(Remote)には皮質で同様の変化がみられた。

2011年8月16日火曜日

論文撤回とか…(1)

研究者たるもの、もっとも恐れる事態の1つは、論文を撤回することだろう。
大抵の場合、論文内容が「結果的に」間違いであることがわかっても取り下げる必要など無い。

多くの科学的・医学的言説が、発表された当時は真実だと思われても後の研究で否定されてきた。科学は否定の歴史でもある。論文の重要性は、結果の正しさではなく、仮説の提唱にあると言ってもいい。良い仮説を提唱すれば、多くの研究者を刺激し、結果的に優れた研究が続くからだ。


実はWall Street Journalに気になる記事が載った。
Mistakes in Scientific Studies Surge
残念ながらまだ日本のWSJサイトには記事が無い様子。タイトルを訳すと、「科学研究の誤りが急増」といったところか。